概要
本校は、呉市の東部に位置し、南側が瀬戸内海、残りの三方を山で囲まれ、四季折々の変化がある自然環境に恵まれた所にあります。
平成12年に安芸灘大橋ができるまでは瀬戸内海の島々を結ぶ海上交通の要所でした。町の地場産業としてのヤスリ生産は歴史もあり、全国シェアの90%を占めています。また、酒造業も盛んで、全国的にも有名な酒が生産されています。
本校は150年の歴史をもち、保護者や地域の学校に対する関心も深く、協力的で、児童はその多くの人に見守られながら、生き生きと活動することができています。
1927年に「友情の使者」としてアメリカ人のギューリック博士から『ルーズ・ナオミ』という人形が贈られ、今日に至るまで人形を学校・地域の宝物として子どもたちは大切にしています。
これからは、同様にして贈られていた学校とも交流の輪を広げようとしています。
青い目の人形

私はルーズ・ナオミです。
私が仁方小学校に来たのは90年以上前の1927(昭和2)年5月13日のことでした。 私は、12、700体余りの仲間と共にアメリカ合衆国からパスポート、乗船切符、着替え、そして、『日本の少年少女のみなさんへ。私たちは、友情の使者として日本を訪問し、1927年の日本のひな祭りを見学することになっています。』と書かれたメッセージを手にして船に乗って日本にやって来た平和と友情の使者『青い目の人形』です。
私たちを贈り出してくれたのは、シドニー・ルイス・ギューリック博士を中心に”世界平和は子どもから”という活動をしている『世界児童親善会』の人々でした。
当時の日本とアメリカの関係は戦争こそしていませんでしたが、あまり仲のよい関係ではありませんでした。そこで、日本に20年間も住んだことのあるギューリック博士が、日本とアメリカの子どもたちにこれから2つの国の友好的な関係をつくって欲しいという願いを込め、アメリカから日本へ私たちを贈ることになったのです。彼の呼びかけによって、アメリカ中の子どもたちがこづかいを出し合って私たちを買い、手作りの服を着せて日本へ送り出してくれたのです。
私たちは、横浜に着き、そこから日本全国の学校に分かれて行き、広島県に326体が来ました
。
日本からアメリカにも、お礼として私たちよりも一回り大きい答礼人形が58体贈られました。今でもその半分以上は大切に残され、飾られています。
当時は、私たちも答礼人形もそれぞれの国で歓迎されとても大切にされました。私たちはひな人形といっしょに飾ってもらったり、学校の遠足にいっしょに連れて行ってもらったり、運動会を見せてもらったりするなど学校の行事にも参加させてもらいました。
しかし、1941(昭和16)年12月8日、日本が人形を送ってくれたアメリカと戦争をするようになってからは、私たちを敵国の憎き人形として、とても辛い仕打ちを受けました。たき火の中に投げこまれたり、竹やりでつかれたり、足で踏みつけられたりするなどされ、私たちの仲間のほとんどの命が奪われました。
ところが、1973(昭和48)年、私たちの仲間のメリーが群馬県で生き残っていることがテレビで紹介されてからは再び多くの人が私たちのことを思い出し、探してくださいました。
私も、1976(昭和51)年に今の校舎ができ、移転する時に倉庫の奥に隠されていたところを見つけ出していただきました。現在までに私たちの仲間は、全国で320体近くを見つけていただきました。広島県では、私を含めて5体です。いっしょに日本に来た仲間が12、700体余りいたことを考えると胸が痛みます。
しかし、ギューリック博士が私たちを日本に送ってくださってからちょうど60年後の1987(昭和62)年から、再び、日本とアメリカの子どもたちの平和と友情のかけ橋として、ギューリック博士のお孫さんのギューリック3世によって私たちの妹たちが日本に送られて来ています。
私たちのいる仁方小学校にも1997(平成9)年2月15日にスーザンがやって来ました。
これからは、スーザンといっしょに仁方小学校のみなさんと平和を願い、友情を深めながら、人権の大切さを考えていきたいと思います。
校歌
作詞 葛原 しげる 作曲 呉 泰次郎 |

校旗
 |
1.朝日ににおう 桜花 かざすしるしも ほこらしく 誠つくして いざ共に 今日もみがかん わがわざを 古き教えに 新しき 力わくなり 仁方校 |
2.寄せては返す ささら波 えまいゆかしく ささやくや 絶えずはげみて いそしみて 進む航路の 安けさを 日ごと伸びゆく わが里の 使命はえある 仁方校 |
3.夕日にそびえ おごそかに 野呂の高ねの しめすらく 四方にまなこを 放ちつつ 登る歩みぞ たゆみなき 平和と文化の 建設に 理想けだかき 仁方校 |
児童会の歌
1.にがたしょうの こども あかるくげんきなこ あおいそらの したで みんなたのしく はしりだせ かなしいときは はげましあおう なかまが たくさんいるよ にがたしょうの じどうかい |

児童会旗
 |
2.にがたしょうの こども あいさつができるこ こころとこころ つなぎ ちからあわせて がんばろう がっこうをいつも きれいにしよう きょうりょくする ごみなしうんどう にがたしょうの じどうかい |
3.にがたしょうの こども かんがえやりぬくこ みんなの もんだいを みんなでしっかり かんがえて えがおいっぱい かがやきあえる がっこうに みんなでしよう にがたしょうの じどうかい |
地域の紹介
 |
仁方は海・山に囲まれた町です。仁方には神社が4つあります。その中の八岩華(やいわばな)神社は樹齢400年の「くすの木」で有名です。 |
 |
仁方の町に、受け継がれたものの中に酒作りがあります。野呂山からの湧き水を利用し、いくつもの造り酒屋があります。 |